天龍村で17日に開かれる「第50回天龍梅花駅伝」の準備が本格化し、運営にボランティアで携わり28年目になる同村平岡の宇津恵万司女(うつえましめ)さん(82)も1月下旬から選手に配る荷札作りに取り掛かるなど、9日までに7割ほどの作業を終えた。
宇津恵さんは大会の準備段階における中心的裏方さん。以前は教育委員会が行っていた準備作業を自分から手を挙げて引継ぎ、この時期は村文化センターなんでも館内の図書館にこもり、荷札やゼッケン、たすきなどを1人で黙々と袋詰めする宇津恵さんの姿が恒例となった。
今では最初から着色された荷札も「色紙がなかった昔は、シンナーの匂いをかがないようマスクをしてペンでひたすら色付けしていった」と懐かしむ。1984年と2014年の過去2回は雪で大会が中止となり「私が頑張った20日間はなんだったのか。むなしくなった」と、今でこそ笑みをこぼして思い返す。
今年も準備は着々と進み、選手に必要なものから参加賞、交通指導員や大会役員用品までがきれいに整理されて図書館内にずらりと並ぶ。「健康でいられたことが継続できた第一の理由。裏方は選手たちと接することはないけど、私の生きがいになっている」と語る。
昨年、宇津恵さんが会長を務める女性8人の「はぐるま会」が、「信濃の国」の県歌制定50周年を記念してオリジナル扇子を作成した。
06年の天龍村制50周年時に前村長で書家の大平巖さんに全歌詞をしたためてもらった扇子の片面に、県花リンドウの墨彩画をプリントして計1000本を作成。うち140本を節目を迎える今大会の選手へのプレゼント用に取り分けておいた。
「村に一番人が集まる日。若く元気な人たちでにぎやかになる。今後も続けてもらいたい」と大会の継続を願っている。
記念大会には130チームがエントリー。南宮大橋を渡り泰阜村内に入るなどコースを一部変更し、天龍中学校グラウンドを午前11時にスタートする。
◎写真説明:大会準備を進める宇津恵さん(村図書館で)