次世代型県産材供給システムについてのパネルディスカッション開く

地域の話題

[ 2010年 3月 15日 月曜日 14時58分 ]

 県などが開発した「次世代型県産材供給システム」について、実用化に向けた課題や展望を探るパネルディスカッションが12日夕、飯田市常盤町の飯伊森林組合(林和弘組合長)であった。単価設定など多様な課題が示されたが、新年度から実用化研究を進める同組合は「1年後には新システムを基盤に、何らかの現実的な成果を報告できれば」と抱負を話した。

 新システムは県と長野高専、日立建機などが共同で開発し、同組合が実証実験などで協力した。衛星通信などを利用して伐採現場の生産情報と業者側の需要情報とを一元管理し、注文内容に合致した木材を現場から直送する仕組みだ。

 討論会は同日にあった新システム完成報告会の一環。開発主体の関係者や同組合の担当者らがパネリストを務め「これからの木材流通として目指すもの」をテーマに議論した。

 県の担当職員は従来の市場を介さない新システムの特徴を踏まえ「必要な材を必要とする所へ迅速に送ることで、本来の市場機能も高まる」「立木状態で資源生産情報を把握できれば、さらに有効なシステムとなる」と話した。

 同組合南部支所の瀧澤一登所長は昨年11月の新システムの実証実験を振り返り「生産現場の土場の確保や現場仕分けが大変。搬送車両へ積載するときの手間や苦労もあった」と指摘。現場に即したシステムの改良、職員資質の向上などを課題に挙げた。

 実験で需給情報の一元化役を担った同組合木材流通センターの前島浩司センター長は「新システムは、合板やチップ用の流通で有効な手段になり得るのでは。従来市場の取り扱いが良材中心となれば、市場機能の強化が図られ、生産者への利益還元にもつながる」と展望した。

 今回の新システム開発の過程では検討項目に加えなかったものの、参加者の関心が高かったのが、直送システムの需給バランスや価格設定。「業者の希望価格の良し悪しをどう判断するかが課題」とした。

 新年度からは同組合が中心となって、新システムの実用化に向けた研究を進める方針で、内部検討会はすでに始動。林組合長は「課題は多々あるが、需給情報の基地化は必要。木材の地産地消の推進を目指す南信州木づかいネットとも連携して、地域の実情に適したシステムとして実用化できれば」と話した。

  

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