飯田市伊豆木のイラスト書道家、和全さんは19日、母校でもある三穂小学校でパフォーマンスを行った。全校児童が見守る中、三穂地区のキャラクター「みほっち」と6年生の似顔絵とともに「一致団結」と書き上げた。
市内小学校でのイラスト書道のパフォーマンスは初めて。大きな白い紙に青い山々と太陽を描くと、3つの稲穂を持つ妖精の女の子、それを囲むように6人の児童の似顔絵が浮かび上がった。
中心の「結」の字の糸偏部分は、6年生が大きな筆で1人1画ずつを書き、最後に和全さんが「一致団」と書き上げた。迫力ある絵と書、パフォーマンスに児童たちは喜んでいた。
同日は6年生に向けた講演も行った。小学生の時から書道を続けてきた和全さん。大学卒業後、東京の出版社に就職し、本のデザイナーやイラストレーターとして活動した。
「仕事の依頼では描きたい絵が描けない」と悩んでいたところ、米ニューヨークのギャラリーから出品の依頼があった。「外国なら書が喜ばれるのでは」とイラストと書道を組み合わせた「イラスト書道」を発案した。
作品を出品したところ展示会で1位に。退社してフリーランスとなり、昨年3月に飯田市に戻った。デザイン、イラスト、書の仕事をしながらイラスト書道家として活動している。「今頑張っていることはきっと将来役に立つ。自分の好きなことに一生懸命取り組んでほしい」と呼び掛けた。
また「辛」という字が「幸」になる「4コマ書道」を見せ「一本の線があれば辛いことも幸せになる。一本の線は、かけがえのない自分自身で決めること。決断するのは、迷いや不安があるけれどきっと周りが応援してくれる」と呼び掛けた。
講演を聞き、6年の男子児童(11)は「今の夢が変わることがあるかもしれないけど、自分がやりたいことを一生懸命やっていきたいと思った」と話していた。
◎写真説明:和全さんのイラスト書道パフォーマンス