泰阜村で「懐かしい未来プロジェクト」

地域の話題

[ 2016年 2月 27日 土曜日 11時51分 ]

 泰阜村民有志らが「泰阜懐かしい未来プロジェクト」を立ち上げ、「村の木で家を建てる」、「棚田再生」の2本柱で具体的な活動を始めた。26日には「家を建てる」の一環として、伐採した木材を馬で搬出する「馬搬」を開始。代表を務める村診療所医師の島田恵太さんは「林業に馬の力を利用することは、重厚長大型の産業としての林業から小規模林業への転換を進める上で、一つの可能性として注目したい」と話す。

 中山間地で生活していくための可能性を探ることが狙い。同村の木を使って建てる家は島田さんと、目的を共有する村民の2軒で、同村平島田のあいパークやすおか南東に位置する土地に建設する。耕作放棄地となって30年以上が経過していた畑を島田さんが購入した。

 馬搬のための馬は、島田さんと交友関係がある北海道函館市の大沼流山牧場に依頼した。牧場のワーキングホースチームのスタッフ3人と体重800キロのメスの「ばんば馬」1頭が24日、村に到着。翌日から作業を始め、約1ヘクタールに及ぶ山のアカマツやヒノキなどを中心に伐採し、26日から10日間ほどかけて平地まで馬で搬出する予定だ。

 馬は1トンほどの重さまでを引き出せるといい、大きな丸太をいとも簡単に山から運び出した。スタッフの男性(35)は「牧場ではホースセラピーなども行っている。馬には人を集める力があり、馬を活用した取り組みに注目する人も増えてきている」と語る。

 プロジェクトのもう一つの柱に掲げる「棚田再生」には一昨年から取り組み、村内にあった耕作放棄地を活用して麦を育てている。家を建設する土地近くの荒れた棚田にも手を入れ、今夏から島田さんが馬を購入して放牧したり、水稲に活用する予定だ。

 島田さんは「かつて当然のように人々の営みの中に存在していた動物が、地域に帰ってくるという意義も大きい」とプロジェクトの有用性を指摘。「山村が生きていくためには小規模林業である程度経済が回る方向性を見出すべき。この村でどう生きていくか。私なりの答えを見つけ、同じ考えの人たちともつながっていければ」と話している。

  

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