日本の海岸の岩場に留鳥として生息している野鳥の「イソヒヨドリ」が飯田市内で確認された。文献などによると飯田下伊那地域での確認はごく稀。見つけた元動物飼育員で恩がえしIILA(飯田市松尾上溝)の前裕治代表は「静かに見守って」と呼び掛けている。
前代表(39)が6月初めに同市常盤町の飯田商工会館を訪れた際、3階の窓から1羽の見慣れない鳥を発見。気になって翌日も足を運び、青い羽色が特徴的な姿を撮影した。
鳥に詳しい知人により、撮影した鳥はイソヒヨドリのオスだと分かった。直後にメスの姿も確認した。
一時期姿を消したが、7月中旬に再び姿を現した際は1羽のひなも一緒だったという。
文献によると飯伊では川路や小渋ダムで観察された記録があるが、海辺に生息する鳥のため、確認されるのはごく稀という。
イソヒヨドリはスズメ目のヒタキ科。オスは頭から胸、背から腰にかけて鮮やかな青色が特徴で、メスは全体的に灰褐色の羽色を持つ。アフリカやユーラシア大陸、日本各地の海辺に分布しており、国内では内陸部での生息報告が増えている。
前代表は「水の手の崖に似た地形が気に入ったのではないか」とし「こんなところにも生息地を広げているとは勉強になった。静かにそっと見守っていきたい」と話した。
◎写真説明:市内で確認されたオスのイソヒヨドリ