阿智村と沖縄県沖縄市の「ちむわざの会」による青少年交流事業で、阿智村の小中学生12人らが、4日から6日にかけ、沖縄を訪問した。ひめゆり平和祈念資料館や嘉手納(かでな)基地内の戦争史跡などを巡り、激戦地の壮絶な歴史を知り、平和への祈りを捧げた。
初日はひめゆり平和祈念資料館を訪れ、劣悪な防空壕の中で看護を行った女学生の壮絶な体験を見聞きした。平和の礎では、数ある戦没者の刻銘から、阿智村出身者の名前も確認。県戦没者慰霊塔でも献花を行い、犠牲者の霊を慰め平和を誓った。
同日は沖縄市や同市スポーツ少年団の歓迎交流会も開かれた。沖縄の伝統的な舞踊や三線の演奏、空手の演舞などを鑑賞しながら交流を深めた。
2日目は美(ちゅ)ら海(うみ)水族館や古宇利島(こうりじま)での海水浴を満喫。ここ数年、台風などで満足な海の体験はできなかったものの今年は晴天に恵まれ、南国の美しい海を存分に楽しんだ。
最終日は沖縄市スポーツ少年団の子どもとともに嘉手納基地へ。基地内には飛行機の格納庫や防空壕などの太平洋戦争の史跡も多数残っており、基地のスタッフの案内で当時の様子を聞いた。
訪問した小中学生は30日の村戦没殉難者追悼式で体験発表を行う。沖縄訪問は飯田市出身で沖縄市議の島田茂さんや沖縄の青少年健全育成団体「ちむわざの会」、阿智村側の「阿智ちむわざ会」などにより実施され15年目。毎年冬には沖縄の子どもたちが阿智村を訪問している。