飯田市東新町の飯田高等職業訓練校(北原一朗校長)は20日、訓練生の1年間の成果を発表する技能展を校内で開いた。木材加工品や盆栽、和裁など、多彩な匠の技が並び、朝から足を運んだ300人余を楽しませた。
地域の各事業所から若手職人を預かり、高度な専門技術を指導している普通課程の訓練生に加え、幅広い一般市民が生涯学習として通っている短期課程の受講生も多数の作品を寄せた。
木造建築科があずま屋やの木組みを、配管科が1年間のうちに製作した作品などを展示。短期の和裁・洋裁の品、木材工芸品、盆栽などの受講生らは、積み重ねた訓練の結晶とばかり、200点におよぶ作品を発表した。
本職並みの仕上がりの品を格安で提供するコーナーもあり、人気を集めた。木造建築科が作成した脚立やフラワーポットは、瞬時に完売。電子計算機科のパソコン体験では、参加者の多くが名刺づくりに挑戦した。
特色ある訓練の様子を地域住民に理解してもらおうと、毎年この時期に開いている。ものづくりに対する意識の高まりを受け、ことしは例年以上の観覧者が足を運んだ。
北原校長は「生徒のみなさんの努力をたたえたい。大勢の方たちに足を運んでいただき感謝している」と話していた。
同校は1952年の設立から“近代的労使関係の確立と時代を担う若い技能労働者の育成”を目的に、普通課程(3年制)と短期課程の2科で、1万人余の修了生を輩出している。