阿智村駒場の農家の畑で11日、県の絶滅危惧種Ⅱ類に指定されているツチアケビが2本見つかった。土手草刈りをしていた人が鮮やかな赤色に目が付き、近づいて確認した。
ツチアケビはラン科の多年生植物で、腐葉土の多い森林に育つ。葉がなく地面から伸びる高さ30センチ余りで直径1センチほどの茶色の花茎に、アケビの形に似た実が付く。実は5センチ余りで赤く、20個余りが房状に付いている。
生息地が少ないことから、絶滅危惧種になっており、飯田下伊那地域ではなかなか見ることができない。美しい色合いだが、採取などは禁止されている。
実は熟しても裂開せず食用にはならないが、漢方の強壮・強精剤に用いられるという。