松川町生田福与の嶺岳寺で、梅の木が並ぶ緩やかな斜面に真っ赤なヒガンバナが咲き乱れ、訪れる人を楽しませている。今年は残暑が厳しいため、昨年同様に例年より1週間遅く、最盛期は今月末ごろになるという。
寺の周囲には、約5万株のヒガンバナがあり、24日現在は梅園下などの日陰部分で見頃を迎えている。山門周囲など日当たりの良い場所は月末にかけて花が咲きそうだ。
咲き始めの4連休中も県内外から多くの花見客が訪れた。管理する住職の広沢勝則さん(82)は「条件が良いと一斉に咲きそろうが、今年はまばら咲き。これから咲き出すところもあり長期間楽しめそうだ」と話した。
境内には中央アルプスを一望できる展望台や太平洋戦争中に供出され戦後60年の2005年に復元された「彼岸(悲願)の梵鐘」、かつて食糧貯蔵庫として利用された岩室などもある。
広沢さんは、春の彼岸に咲く梅に加え、自生するヒガンバナを株分けして増やし、大切に育ててきた。兼務する喬木村伊久間の法運寺でも、ヒガンバナが見頃を迎えている。
◎写真説明:嶺岳寺のヒガンバナ