天龍村向方のあけびの里でアケビ狩りがピークを迎えている。青紫色の皮の割れ目から野趣あふれる甘い香りが漂い、5日は平日にも関わらず中京方面からの観光客でにぎわった。
村内に多く自生しているアケビに着目し、1986年に400本の苗を植えて試験栽培を開始。88年から収穫、出荷が始まった。96年からは全国でも珍しい観光農園として開園し、毎年100人余りの観光客を受け入れている。
天龍農林業公社が運営を担うようになってからは16年目。管理する約25アールの園内で、地産種の向方1・2号の低木約200株を育成している。
今年は7月が少雨だったため実が小ぶりなものの、全体的には概ね平年並み。先月22日にオープンした。
園内では長さ10センチほどに実ったアケビが、県内外から足を運ぶ観光客を出迎える。5日、名古屋から家族3人で訪れた川島敏雄さん(77)は「これだけの量がなっている光景を初めて見た。すごいね」と数多くぶら下がるアケビを吟味していた。
開園は8日まで。入園料はかご1杯分で1500円。未就学児は無料。皮の天ぷらを現地で味わえる。同公社は「どこにでもあるものを集めると珍しくなる。多くの人に楽しんでもらいたい」と来場を呼び掛けている。
場所はおきよめの湯から車で5分。問い合わせは天龍村農林業公社(電話0260・32・1160)へ。