阿智村で住民法人のGS営業始まる

地域の話題

[ 2010年 12月 25日 土曜日 8時53分 ]

 阿智村智里西地区の住民が株主となって立ち上げた「そのはらエスエス株式会社」(熊谷常和社長)は24日朝、JAみなみ信州から経営を引き継いだガソリンスタンド「そのはらSS」のオープンセレモニーを、中央道園原インター近くの現地で行い、事業を起爆剤にした地域振興の実現を誓い合った。

 JAが地下タンクの耐久年数が過ぎたことなどから閉鎖を決めたのを受け、地区内唯一だったスタンドの存続を望む住民は、利用者を中心とした準備委員会をつくり、住民主体の運営を目指して会議や視察、関係機関との折衝を重ねてきた。

 村は地域の熱意に応えて事業主体となり、約1700万円をかけてスタンドを整備。JAも地下タンクの入れ替え費を村と折半し、約770万円を拠出したほか、利用者に望まれる経営についてアドバイスしてきた。

 準備委員会は300万円を目標に、百十世帯の家族一人ひとりに運営資金の拠出を依頼。世帯の9割以上から協力を得た。給油業務はJA生活店舗「JAそのはら店」に委託。従来のレギュラーと軽油、灯油に加え、ハイオクも扱うほか、高齢者ら交通弱者のために灯油の配達も手掛ける。

 雪の中で行われた神事に続くセレモニーで熊谷さんは、準備までの歩みを振り返り「皆さんの努力と村、JAの支援によって今日を迎えられた。これからが大変だと思うが、最低10年は続くよう奮闘したい」、渋谷章行自治会長は「スタンドの撤退が進み、電気自動車元年といわれる中で難しい部分はあるが、特に有事の際に力を発揮してくれるはず」とあいさつした。

 岡庭一雄村長は「地域を衰退させてはならぬと危機感を持って努力したことは、地域を守ってきた先人も喜んでいるはず。この教訓を生かして地域づくりに取り組んで」と期待を語った。

 JAみなみ信州は県内の各JAがスタンドの撤退を急ぐ中、地域事情を考慮して維持に務めてきたが、2年ほど前から地域の理解を得ながら撤退を進め、現在は委託を含め13店舗が営業している。同JAの田内市人専務理事は「地域と村の熱意に敬意を表したい」と祝辞を述べた。

 閉鎖したJAのスタンドを住民が立ち上げた法人が引き継ぐのは松川町、泰阜村に続いて3例目。同JAの経済部によると、松川は施設をそのまま譲渡しており、改修して譲渡するのは泰阜に続き2例目となる。

  

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