阿智村駒場の満蒙開拓平和記念館で13日、新館セミナー棟の起工式が開かれた。同記念館関係者や施工業者、来賓など約30人が出席し、修学旅行などの受入れが可能になる新たな平和学習拠点の完成を願った。
新館セミナー棟は、現在の本館西側に増築する木造平屋建てで床面積297・45平方メートル。120席のセミナールームや42席の証言映像ルームなどを備え、本館と渡り廊下のスロープで接続する。敷地418平方メートルは村有地を利用する。
設計・監督は新井建築工房+設計同人NEXT、建築施工は吉川建設が手掛ける。9月末に完成予定で10月中旬から利用を開始する。
これまでの同記念館は、建物が狭く修学旅行など大人数を受入れる場合には、複数グループに分かれての見学や他の公共施設を借りての学習などを行う必要があった。セミナー棟が完成すれば、同館のみでの受入れが可能になる。
寺沢秀文館長は「セミナー棟の完成により若い世代や団体へ向けた展開が可能になる。満蒙開拓の歴史をより多くの人に伝えられる新しい段階へ向け、新館を活用し平和を発信する仕組みを準備したい」と話した。
建設にあたり一般から寄付を募っている。また、インターネットを通じた資金調達「クラウドファンディング」でも協力を募っている。問い合わせは、同館(電話0265・43・5580)へ。
◎写真説明:新たなセミナー棟の起工式