飯田下伊那地域で食育に取り組む地域住民と関係機関・団体でつくる食育推進連絡会議(事務局・飯田保健福祉事務所)は24日、飯田市座光寺のエス・バードで「食を考えるつどい」を開いた。
感染拡大防止で昨年度が中止だったため、2年ぶりの開催。「食でつながる、人づくり・地域づくり」をテーマに、元松川町教育長の鋤柄郁夫さんの講演と、一昨年度に県知事表彰を受けた味の里まつかわ代表の米山由子さんが事例発表を行った。
鋤柄さんは、地域や家庭、学校教育現場での食育の事例を紹介。松川町内で環境に優しい作物を栽培して学校給食に届ける松川町ゆうき給食とどけ隊の活動をはじめ、高陵中学校のアイデア汁物作りを通じた食育などの事例を伝えた。
味の里まつかわの米山さんは、22年目を迎えた同グループの取り組みを紹介。昨年からコロナ禍で加工販売などの注文が激減しながらも、食文化の継承につなげようと竜峡小梅の加工や手作りみそ作りなど体験を受け入れてきた。
新たな郷土料理を作ろうと、地元産の食用八重桜を活用してあめやせんべいなどの新製品の開発も続ける。他団体との連携、小中学生への伝承講習、地域の食が集まる「ふるさと味まつり」、JICA研修事業の支援なども紹介。
「おいしかったよという言葉が何よりも励み」と地域の食文化向上や健康福祉の観点からの社会貢献、地域の活性化などのモットーを伝えた。
◎写真説明:事例発表する米山さん