夏の交通安全やまびこ運動が22日にスタートした。「信濃路は みんなの笑顔 つなぐ道」をスローガンに、交通安全思想の普及・浸透と交通ルール順守の徹底を図る。初日は飯田下伊那地域の各地で、啓発活動が展開された。
運動は31日までの10日間。▽夏休みの子どもの交通事故防止▽歩行中・自転車乗用中の交通事故防止▽高齢運転者等の安全運転の励行▽飲酒運転をはじめとする悪質・危険な運転の根絶―の4つを重点項目とする。
阿南町の県道1号南宮大橋付近では、阿南署と阿南交通安全協会泰阜支部、阿南町役場から9人が参加し、人波作戦を実施。ドライバーや歩行者に交通安全を呼び掛けた。
県道沿いに並ぶと「交通ルールを守ろう」「シートベルトを正しくしめて」などと記した手旗やのぼり旗を手に、ドライバーに注意喚起。近くの住民や阿南高校へ向かう生徒たちとあいさつを交わし、「車に気を付けて」などと声を掛けていた。
松下佳弘署長は「暑くなってきて集中力の低下や睡眠不足が多くなる。視覚で訴え、運転手に安全運転を心掛けてもらえれば」と話していた。
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飯田市内の小学校4校(浜井場・追手町・座光寺・丸山)の4~6年生でつくる飯田交通少年団と同市交通指導員による合同啓発は、飯田市役所周辺で行われた。
合同での啓発は今回が初めて。少年団員が交通安全に興味を持って啓発することで、運動の重点項目「夏休みの子どもの交通事故防止」の達成を狙う。
飯田署と市、県、飯伊交通安全協会、飯伊自転車協会を含めた約50人ほどが参加した。
少年団の子どもたちは「わたります」と書かれたプラカードを掲げた。カードは、園児でつくる交通安全や防犯に取り組む子ども警察官「チャイルドポリス」が作成した。県警マスコットの「ライポくん」「ライピィちゃん」や、いいだ人形劇フェスタのマスコットキャラクター「ぽぉ」ものぼり旗を持ち参加した。
ほか、市役所駐車場ではパトカーや白バイの展示も実施。座光寺小学校5年生の女子児童(10)は「交通事故が増えていると聞いたので、私たちの活動で事故が減ったらうれしい」と話していた。
21日現在、飯田署管内の人身事故の発生件数は前年同期比48件減の112件、負傷者は58人減の132人。阿南署管内では人身事故が3件増の8件、負傷者数が3人増の10人。死亡事故は発生していない。
◎写真説明:プラカードを持った子どもたちがドライバーに呼び掛け(飯田市で)