飯田市消防団(宮下和博団長)は19日、飯田市川路の天竜川河川敷で本年度の水防訓練を行った。18分団から班長以上の幹部約300人が参加し、水防工法の技術や知識を学んだ。機動救助隊による資機材を用いた訓練も実施した。
水害発生時に有効適切な水防活動が行えることを目的に、毎年梅雨の前に訓練を実施している。操法大会まで訓練が多くなる消防団員自身の安全確保のため、熱中症の予防や応急手当についても学んだ。
飯田広域消防や飯田建設事務所、国土交通省天竜川上流河川事務所や消防団本部員らを講師に、積み土のうやビニールシート張り、ロープ結策などの水防工法の技術を学習。多機能型積載車の装備品の取り扱いも教わった。
災害時に救助と救急、退避誘導を行う機動救助隊約30人も訓練に参加した。重機を使う際の注意点や操作方法について説明を受けながら、ミニバックホーを使って土砂災害からの救助方法を学んだ。
地震で倒壊した建物などを切断するエンジンカッターの講習では、車のドアを実際に切って体験。団員らは刃が跳ね返るキックバックなどに注意を払いながら、慎重に操作していた。
宮下団長は「水防工法に加え機動救助隊の訓練も行い、有意義だった。団員たちには今回学んだことを生かし、一体となって有事を最小限に抑える努力をしてもらいたい」と話した。
◎写真説明:エンジンカッターの操作を学ぶ団員ら