飯田時又灯ろう流しは16日、飯田市時又の天竜川で繰り広げられた。精霊供養の灯ろうが流れる中、天竜川の川岸から打ち上がる約2000発の花火が夜空を彩った。
昭和初期に新盆供養の行事として始まり、市や商工団体でつくる実行委員会が主催して発展し、ことしで42回目。灯ろうが流れる幻想的な風景と豪快に打ち上がる花火のコントラストは、飯田下伊那の夏の風物詩になっている。
台風10号の影響が懸念されたが、予定通り開催。JR時又駅や会場の時又港は帰省客など大勢の見物客でにぎわった。
午後5時ごろ、鈴岡太鼓の勇壮な演奏で幕開け。新盆の灯ろうが長石寺を出発して町内を巡行した。時又港へ到着すると厳かな読経やご詠歌が行われ、約400基の灯ろうが天竜川へ流されていった。灯ろうには、亡くなった人の戒名や生前の名前を一人一人記した。
昨年に続き、長野原竹宵の会が竹灯ろうを飾り、風情のある明かりで時又港を彩った。
途中降雨もあったが、予定通り午後7時に花火の打ち上げを開始。轟音とともに夜空一面に大きな尺玉やスターマインが次々と打ち上がり、会場から大きな歓声が上がっていた。天竜川に架かるナイアガラや川面を流れる水中金魚花火などの仕掛け花火も登場し、観客を魅了した。
◎写真説明:灯ろうが天竜川を流れる中、花火が夜空に打ち上がった