高森町山吹にあるホタルの名所「天伯峡」で13日、高森北小学校4年生35人が学校で育てたゲンジボタルの幼虫を放流した。例年だと6月上旬に舞う姿が見られるといい、児童はホタルの乱舞に期待を込めた。
天伯峡を流れる寺沢川一帯は、古くからゲンジボタルの生息地として知られる。
山吹の住民有志でつくる天伯峡ほたる管理委員会(清水駒洋委員長)が専用水路を設けるなど生息環境を維持、管理。10年ほど前からは、北小学校の協力で幼虫を流している。
同管理委員会は昨年6月下旬に母ホタルを採取し交配、産卵の後、10月24日に3~5ミリほどになった幼虫を北小学校に届けた。同校では例年通り、4年生が飼育を担当。当番制で幼虫が入った容器の水を入れ替えたり、成長も記録した。
約5カ月間で大きいもので3センチになった。この日、幼虫約1000匹と、えさとなるカワニナを紙コップに入れ、幅1メートル、長さ約50メートルの専用水路に一斉に流した。4年の男子児童は「貴重な経験になりました。舞うのが楽しみ」と話した。山吹保育園の年長園児21人も協力した。
同管理委員会によると、放流した幼虫は4月下旬から5月上旬にかけて雨の日に上陸し、土中にまゆを作るなどして成虫になる。6月中旬に舞い始め、同下旬にはピークを迎えそう。毎年恒例の「ほたる祭り」は6月22日を予定。