竹炭作りを手掛けるNPO法人「竜峡竹炭友の会」(大澤兼光理事長)は27日、飯田市駄科の大澤さん(75)宅付近にある炭焼き窯で火入れ式をした。
大澤さんは53歳の時に脳梗塞になり、仕事を辞め、リハビリを兼ねて竹炭作りを始めた。5トン窯と3トン窯も自身で造成した。同会を結成し、副理事長の齋藤俊二さんや弟子の熊谷高明さんらとともに、約20年にわたり竹炭作りや竹林整備に打ち込んでいる。
大澤さんの窯は温度が最高1300度に達し、竹炭が硬くなり、質が高いのが特長。取り組みが評判を呼び、全国から訪問する人がいるという。竹炭の他、竹酢液や竹塩なども作っている。
半年ほど前から準備を開始。下條村の福島茂治さんや鼎の熊谷リツさんから竹を提供してもらい、竹を伐採して運び出し、90センチ間隔で切って割って節を取り除き、約20キロごと束にして窯に詰めた。今年は200束約4トンの竹を焼く。
この日は大澤さん、齋藤さん、熊谷さんの3人が集まり、「1300度でコロナも一緒に焼きつくそう」と成功を祈願して点火。1回で火が付いたのを確認するとほっとした様子で、齋藤さんが用意したたき付けを投入して火を大きくしていった。
2カ月間焼き続け、竹の形のまま出来上がる姿焼を作る。窯の中に空気を入れて温度を上げる精錬(ねらし)を行い、途中竹酢液も抽出する。
大澤さんは「長丁場でたいへんだが、自分の健康につながり、人のためにもなる。夢があって本当に楽しい」と笑顔を見せ、「活動が飯田下伊那地域の役に立てられるよう頑張っていきたい」と話した。
◎写真説明:火入れをして燃え上がる竹炭窯(飯田市駄科で)