飯田国道事務所工事安全協議会飯喬道路監督支部は20日、飯田広域消防本部と合同の救急救命訓練を、三遠南信道氏乗IC(仮称)で行った。国土交通省飯田国道事務所の職員や飯喬道路3工区の工事に携わる建設会社の社員ら約20人が参加。工事現場で救急搬送が必要なけが人が発生した場合の対応と消防との連携を再確認し、安全への意識を高めた。
協議会は、飯田国道事務所と11社でつくる。合同訓練は工事現場の環境整備と安全意識の高揚の高揚が目的で、3年ぶりに開催した。
この日の訓練では、橋脚の下部工の足場の解体作業中に作業員が転落する事故が発生した状況を想定。1人が意識のない傷病者の容態を確認すると、119番通報や同事務所・会社への連絡、救急車の誘導、AEDの運搬などを分担して行い、到着した救急隊に引き継いだ。
後半は消防署員がドローンによる捜索訓練を実演するとともに、出血と骨折の応急処置方法を指導。直接圧迫止血と間接圧迫止血のやり方や使い分け、無事な足や身体を添え木代わりにした患部の固定方法などを教わった。参加者らは2人1組になって実践し、理解を深めた。
講評で高森消防署の塩澤洋一署長は、「命を守る最善の処置ができるよう、今後も訓練を継続してもらい、消防も連携して災害対応を迅速に行っていく」と強調。宮下克寛副支部長は「現場の人間とすれば事故を起こさないことが一番望ましいが、不測の事態に備える意味で今日の訓練を生かすことができれば」と述べた。
飯喬道路第3工区は、飯田市と静岡県浜松市を結ぶ三遠南信道のうち、飯田上久堅・喬木富田―喬木インター間の延長約7・5キロの区間。9本の橋りょうと11本のトンネルを整備する。同事務所の市川英敏副所長は「飯喬道路の中でも特に急峻な地形の区間で、工事が本格化して高所での工事も増えてきている。厳しい条件下で進める中で合同訓練は非常に重要になる」と話していた。
◎写真説明:消防と合同での救急救命訓練