3月25~27日に飯田市の中心市街地であった「飯田お練りまつり」で、市は20日、出演団体で発生した集団感染の検証結果を公表した。1団体の出演者28人とその家族5人が感染。感染者は獅子舞のほろの中に集中し、観覧が原因で感染が広がったとは特定できないとした。
集団感染した1団体について、簡易検査キットで陰性を確認した上で演舞に参加しており、24~27日までの4日間で陽性者は確認されなかった。
28日に2人が発熱などの症状が出て、その後の検査で陽性が判明。翌日、飯田保健所の指導で演舞者を中心に250人を濃厚接触者に指定した。100人に絞り込んで5日間の自宅待機を指示した。
陽性となった28人のうち26人は獅子頭を持つ役割で、動きの激しい出演者は一時的にマスクを外していた。それ以外は全員マスクを着用していた一方、不織布でない団体特注のウレタン製マスクを着用する人が半数いた。残りの半数は不織布マスクの上からウレタン製マスクを着けていた。
最終27日の演舞終了後に、一部の班で会食をしていた。鼻と喉の両方で検体を採取する簡易検査を全出演者に求めていたものの、喉の採取ができていなかった可能性があることも分かった。
市は陽性者がほろの一部分に集中していることや、距離のある出演者に感染者が出ていないこと、会食に参加した人以外からも出ていることを踏まえ「感染場所は演舞中の一定の部分であった」と推測した。感染が家族にも広がっており、家庭内感染防止を課題として指摘した。
参加25団体のうち24団体からは「健康状態をはじめ、全て良好」との回答があった。
佐藤健市長は「感染者が出たのは残念で反省すべき点」とし、検証結果を今後のイベントに生かしていく考えを示した。
検証結果は同日非公開で開かれた新型コロナウイルス感染症対策専門家会議に報告した。
飯田お練りまつり奉賛会の検証結果は別に、28日に公表される予定。