新型コロナウイルスワクチンの3回目接種で、飯田市は21日、65歳以上の高齢者を対象にした接種を2月4日に始めると発表した。接種券は今月31日から発送する計画で、2回目接種を終えた日の順とした。希望する高齢者の接種について「2月中を目指す」とし、64歳以下の接種開始は3月中になる見通し。
先行接種で使用するワクチンはモデルナ製で、南信州広域連合事務センター内の集団接種会場(上郷別府)と15の医療機関で接種できる。保健課によると、接種件数は週約4000件を見込む。
集団接種会場は月曜日を除く午後1~5時15分に運営する。接種数は1日234回。予約状況によって日曜日の接種体制を拡大する。
市はモデルナ製のワクチンで一斉スタートし、接種の進行状況を見ながらファイザー社ワクチンの接種を開始する方針。集団接種会場と44の医療機関に広げて展開する考えで、ファイザー社ワクチンの接種は2月後半の開始を目指すとした。
この他、市のコロナ対応を説明した。保育園関係は2園が23日まで休園し、全ての保育所や認定こども園などに対する登園自粛については30日まで延長した。
市内全小中学校(19小学校、9中学校)については12校が臨時休校となっており、うち10校が24日に再開する予定。
希望する市民らに無料配布する簡易検査キット(抗原定性検査)について、緊急的な措置として開設した無料配布所で11~14日の期間中に1万290個(1730件)を配布した。予想を上回る需要で「在庫がなくなった」として、インターネットで受け付けて郵送する通常配布についても郵送業務を停止していたが、21日に郵送を再開した。
通常配布は継続する一方、佐藤健市長は「医療機関、介護施設、保育園などの機能維持のために重点活用する」とした。
影響を受けている飲食店への支援を現在検討中とし、経済対策を含む本年度一般会計補正予算案を2月1日予定の市議会臨時会に提出する意向。
緊急事態宣言下でも行動制限を緩和する国の「ワクチン・検査パッケージ」制度に絡め、市は「飯田版」のパッケージ制度を検討し、今月にも発表するとしていた。国の停止方針を受けて見直しを図っており、佐藤市長は「感染が完全に収まっていない環境下でもイベントが実施できる方策を引き続き検討している」と述べた。