新型コロナウイルス感染症で、17日までの1週間に飯田保健所管内で陽性者が34人確認されたのを受け、飯田市の佐藤健市長は「これまでとは違うレベルの感染対策を行う必要がある」と危機感を強めている。
34人の内訳をみると、県外との往来者と県外在住者がそれぞれ5人、陽性者との接触者が18人で、調査中が6人。佐藤市長は「圏域外との往来や県外からの来訪者が起点となって感染が広がっている」と推測した。
年代別だと、10歳未満が4人、10代が6人、20代が5人で、若年層での感染が拡大している。また60歳以上の感染例の中にはワクチン接種済みの人も複数含まれ、佐藤市長は「この事実も深刻に受け止めなければならない」とした。
PCR検査を行っている市立病院によると、陽性者の4分の3で非常に高いウイルス量が測定される傾向にあり、佐藤市長は南信州圏域での急激な感染拡大もデルタ株によるものとみた。
現状を踏まえ、佐藤市長は17日に市長メッセージを動画配信。帰省や県外への訪問を控え、人とできるだけ会わないようにすることなどが必要とした上で「命と暮らしを守るにはデルタ株の拡大を今食い止めなければならない。感染しない、感染させないという強い思いを共有して」と呼び掛けている。
感染警戒レベル引き上げに伴い、市は本庁舎のA棟とC棟の正面玄関に、数秒で体温が分かる「非接触型検温器」を計3台設置している。
また市役所BCP(業務継続計画)の一部を発動し、職場の分散、在宅勤務、勤務時間の変更、週休日勤務の活用、年次休暇の活用の5つを組み合わせて対応。職員同士が極力接触しないようにと「通常時の5割減」を目標に掲げる。
庁舎内の職員約600人の職場の分散化では、本庁舎の議場や会議室、りんご庁舎などを確保した。
勤務時間の変更は午前7時から午後7時15分の間で実施し、早出(午前7時~午後3時45分)、通常(午前8時半~午後5時15分)、遅出(午前10時半~午後7時15分)の3つに分けている。