下伊那南部5町村でつくる南部総合事務組合の議会全員協議会は26日、阿南町役場で開き、同組合運営の「南部訪問看護ステーションさくら」(阿南町東條)と県立阿南病院の訪問看護事業との統合について、来年4月の立ち上げで準備を進めていくことを確認した。看護師確保を課題に調整を進めていた。
同組合が、地域の在宅医療・介護において重要な役割を担う訪問看護ステーションの存続に向け、持続性のある安定的運営体制を目指し、病院を利用する患者を対象にした訪問看護事業を行う同病院に運営の統合を要請していた。
県が指定し、24時間対応があるさくらに対し、医療機関として事業展開する阿南病院の訪問看護は24時間への対応はしておらず、いずれも月平均30人ほどの利用がある。
合併後は24時間対応など、同病院が現在のさくらの業務形態を踏襲する予定で、病院内に県指定の新たな訪問看護ステーションを設置する。病院とは別の独立した事業になる見通し。
さくらは、1999年に県看護協会(松本市)の県内6カ所目の訪問看護ステーションとして開所。24時間体制の訪問看護に対応したサービスを提供する一方、利用者数が安定せず赤字が続き、16年度に同協会が撤退した。17年度から同組合が運営を引き継ぎ、5町村が赤字分を負担してきた。
事務局の阿南町民生課によると、さくらの1月末現在の18年度事業収支は、月平均利用者数が前年比2・2人増の30・7人で、利用回数も月21・6回増えたことで「当初の赤字見込みを600万円ほど圧縮して約300万円になる見込み」とした。しかし「現状では、働いている人が大変だったということで一概に喜べない」(事務局)とする。
この日の全協での説明によると、統合後の訪問看護ステーションは、新たに県指定を受けるための手続きなどが必要で「時間を要する」と議員らに理解を求めた。阿南病院は取材に対し「手続きなどを含め、前向きに検討していきたい」とした。
◎写真説明:県立阿南病院と統合する訪問看護ステーションさくら(阿南町東條)