県は27日、飯田保健所管内(飯田下伊那14市町村)で新たに12人が新型コロナウイルスに感染していることが分かったと発表した。いずれも26日に感染が公表された飯田市の50代自営業女性の濃厚接触者や接触者。県は「現時点でクラスター(集団感染)が発生したかは判断できない」としている。
新規感染者の内訳は、飯田市が9人、高森町と天龍村がそれぞれ1人、愛知県から飯伊を訪れていた1人。いずれも軽症か無症状という。
県によると、12人のうち、同市の60代無職男性は50代自営業女性と同居していた。他の11人も、女性が参加したお茶会やセミナーなど複数の集まりで同席するなどしていた。
この集まりには県外からの参加者も複数いた他、女性と複数回接触していた感染者もいたといい、県は「現時点で誰が感染の起点かは分かっていない」としている。ただ、それぞれの集まりについて「参加者の把握はできている」といい、不特定多数の参加はなかったとの認識を示した。
同日現在、12人のうち9人が無症状で、3人が軽症。1人が感染症指定医療機関、3人が別の医療機関に入院し、残りの8人が自宅療養などしている。
自営業女性の濃厚接触者と接触者は27日現在で計27人。このうち22人は県が検査を行い、12人がこの日公表された感染者。他の10人は陰性だった。残る5人は県外におり、居住地の自治体が検査する。
飯田保健所管内での感染確認は累計22人。3月27日から4月9日に掛けて計5人の感染が相次いで判明したが、その後は7月と9月、今月8、19日に各1人と散発的な感染確認が続いていた。
県や長野市によると、県内ではこの日に計21人の感染が分かった。内訳は他に長野市3人、千曲市2人、松本市、伊那市、東御市、北安曇野郡白馬村各1人。いずれも軽症か無症状という。県内の累計感染者は計1126人となった。
◎写真説明:飯田保健所管内での感染者