飯田下伊那糖尿病療養指導士育成会(会長・小林睦博飯田市立病院分泌内科部長)は12日、県内で2例目となる地域糖尿病療養指導士育成研修会を同病院で開講した。月1回、来年1月までの計5回開き、同3月の資格認定試験に備える。試験合格者は飯伊地域内での同指導士として認定され、糖尿病の予防活動などに携わる。
世界中で患者数が激増する糖尿病。これまでは活動の中心が地域の医療スタッフで、活動の場は病院中心にならざるを得なかった現状を背景に、糖尿病に関心のある地域の医療従事者すべてを対象にした研鑚と育成の場をつくろうと同会を設立。早期発見と合併症の進行を食い止めるために地域全体を巻き込んだ予防活動を展開していく。
研修会は糖尿病に関する規程の講習を受け、資格試験合格者は「飯田下伊那地域糖尿病療養指導士(LCDE)」として認定。県内では東北信地域に次ぐ2例目の取り組みになる。受験資格は「日本糖尿病療養指導士(CDE―J)」よりも厳格でない制度として、今講座には、その関心の高さから医師のほか診療所の看護師や行政の保健師、開営薬局の薬剤師など約100人が受講した。
初日は糖尿病の現状・総論から療養指導士の役割などについて講義。小林会長は1999年から2002年までの3年間は年間10万人増だった糖尿病患者が06―07年の1年間では70万人増と急増している現状に触れ「病態と生活環境で個々により症状や進行度合が異なる病気。自分の判断によって治療方針を決めることが大事」と指導士に求められる資質と役割を説明した。
今後は合併症や食事・薬物・運動療法、事例検討などの内容で講座を開き、来年3月に資格認定試験を実施する。小林会長は「相応の知識と技量を身に付け、全員合格を目指したい」と話していた。