春の全国交通安全運動がスタートした6日朝、飯田市上郷飯沼のイオン飯田店で出発式が開かれた。飯田市や県南信州地域振興局、飯田署、上郷地域まちづくり委員会などから関係者約30人が参加。15日までの10日間、交通ルールの順守と正しい交通マナーの実践を呼び掛ける。
運動の重点は▽子どもをはじめとする歩行者の安全確保▽歩行者保護や飲酒運転根絶等の安全運転意識の向上▽自転車の交通ルール順守の徹底と安全確保―の3点。県の重点は「高齢運転者の安全運転の徹底」としている。
飯田市の佐藤健市長は、千葉県八街市でトラックが突っ込み下校途中の児童5人が死傷した昨年6月の事故に触れ「今日から新学期や入学式の子どもたちが多い。子どもたちや住民に安全確保を啓発して」と呼び掛け、「運動を契機に、1年間住民の皆さんに交通安全を呼び掛けていく」と強調した。
歩行者が道路を横断中の事故が多く発生していることから、南信州地域振興局の丹羽克寿局長は「歩行者の皆さんはしっかりと左右確認を。ドライバーは横断歩道近くでは徐行するなどの徹底が大切」。飯田署の清滝吉春署長は「悲惨な交通事故が発生しないよう呼び掛けを行い、一件でも事故を減らせるように皆さんと活動をしていく」と力を込めた。
出発式後には、国道153号沿いで人波作戦を実施。「飲酒運転根絶」「安全運転」などと書かれたのぼり旗を掲げ、ドライバーに啓発した。
飯田署によると、5日現在、県内の人身事故の発生件数(暫定値)は前年同期比58件増の1197件で、負傷者は57人増の1411人、死者は6人増の12人。飯田署管内では発生件数が26件増の69件で負傷者は27人増の77人。死者は発生していない。
県は、3月以降に死亡事故が多発している状況を踏まえ、交通安全運動の期間に合わせて「交通死亡事故多発警報」を発令。飯田署は、通学路での取り締まりを重点的に行うなどして、死亡事故の抑止に一層取り組むとしている。
◎写真説明:式後には、白バイとパトカーが啓発へ向かった