大型連休を前に飯伊地区観光客安全対策推進会議(会長・丹羽克寿南信州地域振興局長)は27日、天竜川の川下り舟の安全点検を飯田市龍江の天龍ライン遊舟・天龍峡温泉港で実施した。
同会議は、観光事業者と国、県、市町村の関係機関で構成し、観光客が安心して来訪できるよう毎年5月の大型連休前に川下り舟の安全点検、冬にスキー場の安全点検を行っている。天竜舟下りの事業再開時には別途安全点検を行う予定。
地域振興局をはじめ、同推進会議を構成する警察署、消防署、労基署、天竜川上流河川事務所、県、飯田市などの関係者15人が参加した。
増水のため乗船によるコース点検は中止となったが、天龍ライン遊舟の半崎信弘社長らが同社の安全対策を説明。港の様子を点検しながら、救命具の設置状況や乗客への指導方法、悪天候時の運行可否判断の基準、安全教育や訓練の実施状況などを確認した。
検討会では、昨年9月に起きた天竜舟下りの船頭男性の転落事故や今月発生した知床観光船遭難などを受け、利用客の救命胴衣着用を事業者側でも再度確認することなどについて助言があった。
天龍ライン遊舟の半崎社長は「昨年の事故は大変悲しいこと。安全対策は常に心掛けてきたが、備品の点検などを改めて徹底するなどより一層事故防止に努めている」と語った。
事務局長で南信州地域振興局の保科宗継商工観光課長は「点検を通じて安全への取り組みの高さを広くアピールし、南信州観光の利用増につなげたい」と話した。
◎写真説明:天龍ライン遊舟での安全点検