県鳥獣対策・ジビエ振興室は、今秋のツキノワグマの出没予測を発表した。全県的には餌となる木の実が一定程度あることから大量出没の可能性は低いとしているが、飯田下伊那地域は「結実が並作以下が多い」として注意を呼び掛けている。
本年度の木の実の豊凶調査によると、全県ではブナが大凶作から並作、ミズナラとコナラが凶作から大豊作と地域や木ごとにばらつきがあったが、クリとクルミ類は一定程度の結実が見られた。
地域別で南信は「いずれの樹種も地点差がある」との評価。南信州は並作以下が多いとした。
このため、全県的には「クマの大量出没の可能性は低い」としつつ、「クマの行動範囲が広範囲に及ぶ可能性がある」と予測した。
同室は「キノコ狩りなどで入山する場合は遭遇の危険がある」として注意を喚起。対策の基本に「クマに遭わない」を挙げて▽複数人での行動▽鈴等の音を鳴らしながら行動する▽柿など不要な果実や野菜、生ごみの適正な処理―などを呼び掛けている。
万が一、遭遇した場合、クマに背を向けて逃げると追いかける習性があるため、クマから目を離さず、ゆっくりとその場を離れるよう促している。