南海トラフ地震 3ケースで防災対応 M8で沿岸は連動警戒避難

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[ 2018年 12月 12日 水曜日 15時04分 ]

南海トラフ地震の想定震源域

 飯田下伊那全域が防災対策推進地域に指定されている南海トラフ地震を巡り、政府の中央防災会議の作業部会は11日、3つの異常ケースが起きた場合の対応方針をまとめた。東西のどちらかでマグニチュード(M)8級の地震が発生した場合、連動に備えて残り半分の沿岸部の住民にも1週間程度の避難を呼び掛ける。

 作業部会は、南海トラフの震源域の半分程度が動く「半割れ」や、「一部割れ」「ゆっくり滑り」の3つに分け、ケースごとの地域や企業の防災対応の方向性や配慮事項を検討し、報告書をまとめた。

 津波対応が軸で、想定震源域の東側か西側かのどちらかでM8級が発生する「半割れ」では、残り半分の地域でも大地震の可能性が高まるため、津波対策として30分以内に30センチ以上の到達が想定される沿岸地域の全住民に政府が一斉避難を呼び掛ける。

 震源域やその周辺でM7級が発生する「一部割れ」では、M8級ほど連動の可能性が高くないことから、一斉避難は求めず、必要に応じて自主避難を促す。

 また、プレートの境目がゆっくりとずれて動く「ゆっくり滑り」が通常と異なる場所などで観測された場合は、日常生活での警戒を促す。

 いずれかの現象を観測した場合、気象庁は臨時情報を発表する。

 報告書の軸は沿岸部の住民にあらかじめの避難を促すことだが、土砂災害警戒区域などでも住民の安全確保を検討するよう指摘。報告書を基に、政府は具体的な防災対応を実施できるガイドラインを取りまとめる。

 南海トラフ地震は、東海から九州沖を震源域とする巨大地震。飯伊では最悪のケースで飯田市、大鹿村、阿南町で震度6強、他11町村で震度6弱の揺れが予想されている。

 内閣府有識者会議の試算によると、県内では最悪の場合、建物倒壊や急傾斜地の崩落などによる死者が50人、負傷者が2000人に上るとされており、大半の被害が飯伊に集中するものと見られる。

 報告書は、震度6弱以上が想定される市町村などに、対応する防災計画の作成を求めた。

 飯田市危機管理室の後藤武志さんは「飯伊の場合、山崩れへの対応が問われる。西側を震源とする半割れが起きた場合の避難の促し方なども課題になる」と指摘。沿岸部の被災者の受け入れについても「人と物をどう受け入れていくか、全体の調整が必要になる」と話した。

 政府の地震調査委員会は同地震の発生確率を、今後30年以内で70~80%と予想している。

  

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