飯田市役所で11日、新庁舎の完成後は初となる避難訓練が行われた。市職員や来庁者ら約500人が参加。火災発生時の通報や情報伝達、初期消火、避難誘導などの対応を確認した。飯田消防署も救助、救護訓練などで協力した。
庁舎A棟2階南側の給湯室から出火し、通路や執務室に煙が流れ込んでいるとの想定で訓練。午後4時に火災の発生を知らせる放送や発見者の「火事だー」の声が庁内に響くと、職員らが来庁者を伴って屋外の駐車場に避難した。
同署のはしご車は、逃げ遅れた2人を高さ約12メートルの屋上から救出。引き続き、AED(自動体外式除細動器)を使った心肺蘇生法の訓練を展開した。消防化学車の備品の解説や泡放射の実演もあった。
本年1月に業務を始めた新庁舎は、地上3階、地下1階建て。A棟(執務棟)1階に申請・交付手続きなどの市民向けサービス機能を集約させ、B棟(議会防災棟)には議場や危機管理センターを配置している。
訓練では、自動防火戸や防炎垂壁など新たな設備が正常に作動するかどうかのほか、室内消火栓や消火器、AEDなどの設置箇所もあらためて確認した。
訓練後に佐藤健副市長は「職員のみならず、来庁者の安全を確保することが重要。今回の行動を振り返り、反省点などを今後に生かしてほしい」と呼び掛けていた。