任期満了に伴う4月18日告示、23日投開票の松川町長選に向け、これまでに現職1期目の宮下智博氏(43)=無所属、大島=と、新人で元町職員の北沢秀公氏(51)=無所属、大島=が立候補を表明している。16年ぶりの選挙戦となった2019年の前回選に続き、現職と新人による選挙戦になる見通し。宮下町政1期4年に対する評価が争点となる。
表明順に、北沢氏は15日に開いた会見で「町民の誇りを育み、生まれ、育ち、住んで良かったと思える町にしていきたい」と正式表明した。
2010年からの10年間で、町の小中学生数が約25%減少したことに「このままでは持続可能なまちづくりができない」と危惧。子育て支援を政策の第一の柱とし、乳児支援から学校教育まで、施策の充実を積極的に進める方針だ。
町の具体的な課題にリニア発生土を活用した福与地区の農地整備や、元気センターなどを指摘した上で「課題解決の決断ができていない」と批判。福与の農地整備は「企業用地など多様な利用方法も考えられる」、元気センターは「事業費や事業内容などに疑問が残る」とし、「自分自身で中身をしっかりと確認したい」と再検討を辞さない姿勢を強調した。
一方、宮下氏は23日に開いた町議会臨時会の閉会あいさつで「現職ではあるものの改めてチャレンジャーとして臨む覚悟」と述べ、立候補を表明した。
リニア残土の活用・運搬、旧松川青年の家の活用、元気センターの建設に道筋をつけたことや有機農業、多様性を尊重するインクルーシブ教育の推進などを実績に挙げ「町議会や地域の皆さんの理解と努力により実現されてきた」と感謝。行政、議会経験のない中で「決して順風満帆ではなかったが、批判を糧に人生をかけて全力で取り組んできた」と1期4年を振り返った。
新型コロナウイルスの影響で「地域に出向き住民らと町の将来を語り合う機会が少なくなってしまった」とし、再選に向けては「地域との対話の場面を増やしていきたい」と力を込める。
19年の前回選は現新三つどもえの選挙戦となり、宮下氏が4079票を獲得して初当選を果たした。投票率は68・17%だった。
町長選を巡っては、他に新人が出馬に意欲を示している。
◎写真説明:宮下智博氏
◎写真説明:北沢秀公氏