任期満了に伴う泰阜村長選は2日に告示され、現職1期目の横前明氏(63)=無所属、万場=のみが立候補し、無投票で再選が決まった。「持続可能な村づくり」を主張する横前氏に対し、対立候補を擁立しようとする表立った動きはなく、政策論争は起きなかった。
この日、横前氏は平島田のJAみなみ信州泰阜事業所前で第一声を放ち、遊説に出発。村内全19集落を回って政策を訴えた。午後5時に当選が決まり、支援者らが集まる選挙事務所に姿を見せると、深々と頭を下げて感謝を伝えた。
あいさつに立った横前氏は「1期4年間のうち2年半は新型コロナウイルスに振り回され、思うような村政ができなかった」と振り返り、「その2年半を取り戻すべく、これからの4年間は村民、村のために尽くしていく」と決意を述べた。
横前氏は6月の村議会定例会で出馬を表明。住民の声を村政に反映させる「村民主体の村づくり」、防災と新型コロナウイルス、物価高騰など喫緊の課題にスピード感を持って取り組む「安心安全な村づくり」、子育てを中心とした「住み続けたい村づくり」―の3つを政策の柱に掲げた。
名古屋法経専門学校を卒業後、村職員となり、村診療所事務長、村づくり振興係長などを歴任。24年ぶりに選挙戦となった2018年の前回選に副村長を辞職して出馬し、新人同士の一騎打ちを制して初当選した。
村選挙管理委員会は9日に選挙会を開いて当選人を確定し、横前氏に当選証書を交付する。初登庁は17日。
◎写真説明:無投票での再選を決め、笑顔で花束を受け取る横前氏