6月22日公示、7月10日投開票の日程が有力視される今夏の参院選まで残り20日を切っている。改選数1の県区は立憲民主党現職の杉尾秀哉氏(64)と自民党新人の松山三四六氏(51)、日本維新の会新人の手塚大輔氏(39)ら現新5人が立候補を予定。2016年以降続いていた事実上の「与野党1対1」の構図から一変し、臨戦モードに入っている。
杉尾氏は国会会期中も新幹線で往来し、活動を展開。新型コロナやロシアの軍事侵攻を踏まえ「政治が果たす役割がこんなに大きい時代はない」とし、「暮らしを守る政治を実現する」と主張する。
信州市民連合の支援を受け、共産、社民が候補を杉尾氏に一本化。維新候補の擁立で飯伊後援会幹部は「簡単な選挙ではない」と警戒感を強めており、1期6年の実績を強調して支持固めを狙う。
7日に飯伊入りする他、17日は飯田市のエス・バードで集会を開く。
松山氏は「21年間信州を見続けてきた」と県内でのタレント活動を強みに、誰一人取り残さない県の実現や現役世代への社会保障拡大、安全保障の確立など6つの政策を掲げる。
4日には飯田市内で開かれ集会に出席。コロナによる地方回帰とリニア開業を踏まえ「伊那谷は最もチャンスがある」と主張。DX化推進と、リニアバレー構想の実現を訴えた。
後援会はタレント時代の学校訪問などで「若い世代への知名度は高い」とみており、高齢層への知名度拡大を狙う。
手塚氏は5月26日に立候補を正式に表明した。「現状の自民と立民の2択では長野県は前に進まない」と強調し、ベーシックインカム(最低生活保障)の導入や教育の無償化を主張する。
同30日には出馬表明後、初めての飯伊入り。飯田市内の国道交差点に立ち、リニア開業に伴う効果の県内全体への波及と東北信と中南信の格差是正も訴えた。
今後は毎週月曜日に市内でつじ立ちを行う予定。党県総支部は現時点で南信での支部立ち上げの予定はないとする。
NHK党新人の日高千穂氏(42)はSNSで政策を訴える方針で、選挙区での選挙活動の予定はない。参政党新人の秋山良治氏(45)も立候補を表明している。