第26回参院選挙が22日に公示され、7月10日の投開票に向けて18日間の選挙戦がスタートした。改選定数1の県区には午後2時までに日本維新の会新人の手塚大輔氏(39)、自民党新人の松山三四六氏(51)=公明党推薦=、立憲民主党現職の杉尾秀哉氏(64)ら6人が届け出た。岸田文雄内閣の是非や物価高騰対策、ウクライナ情勢を受けた安全保障・憲法改正などを巡って舌戦を開始した。
県区の6候補は午前9時半までに届け出を済ませ、長野市や松本市、諏訪市から選挙活動をスタートさせた。
手塚氏は午前11時、松本市の渚1丁目交差点で第一声を放った。「昨年の衆院選から潮目が変わってきた」と捉え、教育の完全無償化や社会保障制度に触れた上で「特定の支持母体を持たず、しがらみのない維新だからこそ改革ができる」と訴えた。
選挙カーに乗り込むと松本市の他、安曇野、大町、塩尻市など中信地区を中心に遊説を展開した。
松山氏は午前10時、長野市ビッグハット付近でマイクを握り、「日本一信州を創ろう」と訴えた。自民党の宮下一郎、若林健太衆院議員、芸能界の師と仰ぐ歌手の松山千春さんが駆け付けた他、支持者が集まり「三四六」コールで応援。候補は一人一人と握手を交わしてから遊説に出発した。
松本、上田市などを遊説し、夜に飯田市で出陣式を開く。
杉尾氏は午前8時から長野市内のホテルで出陣式に臨み、JR長野駅前で第一声を放った。「暮らしと命、地域を守り、平和を次世代につなげるため、負けるわけにはいかない」と力説。元防衛大臣の北沢俊美選対事務長や立民県連代表の下條みつ衆院議員らが激励し、共産、社民幹部も出席した。
上田、松本市などを巡り、夜に飯田市で出陣式に臨む。
無所属新人のサルサ岩渕氏(44)は長野駅前で第一声を放つと、安曇野市方面へ遊説。政治団体「参政党」の秋山良治氏(45)はJR上諏訪駅でマイクを握り、諏訪地域を選挙カーで遊説を展開した。NHK党新人の日高千穂氏(43)は県庁前で第一声。その後はポスター張りなどのため県内を車で回った。
県区は1950年の第2回から2013年の24回まで与野党が各1議席を獲得。改選数が2から1に減った16年以降は、補欠選挙を含む3回の選挙で野党共闘が自民党との事実上の一騎打ちを制している。
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今回は改選定数124議席(選挙区74、比例代表50)と神奈川選挙区の欠員1を補う合併選挙を併せた125議席を争う。
全国の選挙区と比例代表で540人超が立候補を予定しており、2019年の前回選の370人から大幅に増える見通し。
自民、公明の与党は過半数(125議席)の維持のため、非改選議席を含めて必要な56議席以上の確保を目標に掲げる。野党第一党の立民は改選の現有23議席からの上積みを目指す。
与党に加え、憲法改正に積極的な維新や国民民主などの改憲勢力が83議席以上を確保すると、憲法改正の発議に必要な3分の2(166議席)以上を維持できる。
◎写真説明:立候補者の第一声を聞きとどけた支持者ら