任期満了に伴う知事選は7日に投票日を迎え、即日開票される。いずれも無所属で、新人で元福祉施設職員の草間重男氏(72)=小諸市=、新人で元上田市議の金井忠一氏(72)=共産推薦、上田市=、現職で4選を目指す阿部守一氏(61)=小諸市=の3氏が立候補し、猛暑と新型コロナ第7波の中で最終盤の選挙戦を展開している。阿部県政3期12年の是非を判断する。
7月10日投開票の参院選に引き続いての選挙戦。同21日に告示され、事実上、前回選と同じ顔ぶれでの現新一騎打ちになっている。阿部氏は政党推薦を受けないが、共産党を除く県議会各派や与野党の支援を受け、前回同様に「非共産」対「共産」の様相を呈している。
金井氏は「現職は国や財界の顔色を見て弱者を見ない官僚政治だ」と批判し「県民に寄り添うあったか県政」への転換を掲げ、個人演説会や街頭演説を重ねた。前回選で「リニアよりクーラー」を訴え学校へのエアコン設置を後押ししたことから、今回は「給食費無償化」を前面に押し出した。子ども医療費の18歳まで完全無料化とともに子育て支援を訴えた。
飯伊の街頭では「リニア工事の中止、再検証」を強く主張。工事が進む大鹿村や駅予定地周辺住民の話を聞いて思いを強くしたとし、残土置き場の危険性などを訴えた。
飯伊県民の会は3万人との対話を掲げ電話作戦やSNSで支持拡大に尽力。牛山雅夫代表委員は「給食費無償化がかなり浸透している」と手応えを語った。
阿部氏は「確かな暮らし」と「豊かな社会」を掲げ、コロナ対策や災害に強い県づくり、物価高への支援のほか、産業のDX化、格差是正、結婚・子育て支援、共生社会の実現、ゼロカーボンの推進などを訴えた。
選挙活動とともに感染急拡大を受けた県のコロナ対応にも奔走。飯伊の街頭では、飯伊の大学誘致に「思いを共有する」とし、高速交通網整備とともに「市町村と力を合わせ、新しい時代を切り開いていく」とした。
飯伊選対は、大学誘致などへ県の後押しを得るため「投票率、得票率で地域の熱意を示す」と支持拡大に取り組む。原勉選対委員長は「総決起に300人を超える参集があり盛り上がりを見せた。大学誘致の実現のためには1人でも多くの投票が必要だ」と力を込める。
草間氏は地雷廃絶や女性活躍などを掲げて選挙活動を展開している。
7月20日現在の県内の有権者数は173万3172人で、4年前の前回選に比べて3万4505人少ない。飯伊は13万358人で前回選より5036人少ない。