8月7日投開票の知事選は、7月21日の告示日まで残り1週間となった。1日に県庁で開かれた立候補予定者説明会には無所属現職の阿部守一氏(61)=小諸市=と、無所属新人の金井忠一氏(72)=上田市=の2派が出席。ほかに届出書類を持ち帰った陣営はない。届出書類の事前審査は14日に行う。前回と同じ顔ぶれの現新一騎打ちとなる公算が大きくなっている。
4選を目指す阿部氏は5月17日に立候補を表明。6月県会では、新型コロナや物価高騰などを挙げて「直面する危機に対処することこそ私の使命」とし「確かな暮らしを守り抜き、真に豊かな社会を築く」と述べた。
13日には長野市で政策発表を行った。過去2回は共産党を除く与野党が相乗りしたが今回は政党推薦は受けない。「県民党として広く支援を集めていく」とする。飯伊地域の事務所も開設に向けて準備を進める。
金井氏は4月28日に立候補を表明。「県民のいのち・くらしを守る」を掲げ、リニア新幹線の工事中止や学校給食費などを含めた教育の完全無償化、子ども医療費の18歳まで引き上げと自己負担の廃止などを訴える。
共産党県委員会や県労連などでつくる「明るい県政をつくる県民の会」が擁立し、共産党の推薦を受ける。18日に松本市で総決起集会を開く。県民会の飯伊支部も事務所開設に向けて準備を進めている。
すでに飯伊各地にポスター掲示板が設置され、13日には飯伊の各選管にも投票用紙が届くなど準備が進む。
阿部氏は東京都出身。東大卒業後、1984年に自治省(現総務省)に入省。2001年10月から04年7月まで副知事。横浜市副市長、内閣府行政刷新会議事務局次長などを経て10年の知事選に立候補、初当選した。
金井氏は上田市出身。上田東高校卒業後、会社勤務を経て1970年から旧上田市職員。合併後の現上田市を含めて市議を通算5期を務めた。2014年と18年の同市長選に出馬し落選。同年の前回知事選に立候補した。
参院選に引き続いての選挙期間ということもあり、飯伊の両陣営はともに支援体制構築などの準備に取り掛かり始めたばかり。政党関係者には疲れもみられる。
同じ顔ぶれによる前回選は大差で勝敗が決まった。知事選は過去2回にわたり50%を下回る低投票率が続く。有権者の関心をいかに向けられるかが課題だ。
◎写真説明:ポスター掲示板