任期満了に伴う阿南町長選(19日告示、24日投開票)の告示まで1週間を切った。これまでに現職2期目の勝野一成氏(66)=無所属、新野=と、新人で前町議の石田仁志氏(62)=無所属、北條=の2人が立候補を表明している。他に届け出書類を持ち帰った派はなく、2007年以来15年ぶりの選挙戦は、現新一騎打ちとなる見通しだ。
現職の勝野氏は、昨年12月の町議会定例会で「2期8年の仕事に悔いはない。今期を全うして退く」と3期目への不出馬を表明したものの、直後から住民有志らによる出馬要請が続いた。3月29日に行われた立候補予定者説明では、支持者が自主的に出席し届出書類を持ち帰るなど強力に背中を押し、同日、勝野氏は「町の将来を本気で考え取り組んでいる人たちの思いを断ち切ることは不本意」と、一転出馬を表明した。
3期目に向けては「次の世代につながる町づくり」を掲げ、健康増進施策の推進や医療提供体制の充実、農林業を中心とした産業振興、住宅政策の充実による若者の定住促進、リニア新幹線へのアクセス道や国道418号の改良整備などに取り組むとする。
新人の石田氏は、会社員を経て神奈川県を拠点に小売業を起業。町出身者でつくる「関東ふるさと阿南会」を通じ町との関わりを持つ中で、「大好きな町のために役に立ちたい」との思いを強め、19年に帰郷し、同年4月の町議選で初当選した。
議員活動の中で、課題解決に向けた自身の考えを形にできないもどかしさを募らせ、「町の先頭で課題解決に取り組みたい」と2月に立候補を表明した。
「民間のノウハウを生かし町に新しい風を」を掲げ、地域懇談会や車座集会により行政と住民との情報交換、共有を深めるとともに、変化を積極的に受け入れられる行政への改善を目指すとする。人口減少を最大の課題に挙げ、移住定住の推進に向けた環境整備に取り組む構え。
新型コロナウイルス感染者が断続的に町内で確認されていることもあり、両氏とも決起集会などの開催予定はなく、選挙カーによる遊説中心の選挙戦となる。
石田氏の議員辞職に伴い行われる町議補選(欠員1)は、新人で自営業の平沢文彦氏(60)=無所属、北條=の1派が8日の届出書類事前審査に出席。町議会事務局によると10日に新たに1派が書類を持ち帰った。
3月1日現在の選挙人名簿登録者数は3770人(男1825人、女1945
人)。
◎写真説明:勝野氏
◎写真説明:石田氏