任期満了に伴う阿南町長選が19日に告示される。これまでに現職2期目の勝野一成氏(66)=無所属、新野=と、新人で前町議の石田仁志氏(64)=無所属、北條=が立候補を表明し、2007年以来15年ぶりの選挙戦となる見通し。両氏の主張に大きな争点はなく、継続か刷新か、現町政への評価が問われる選挙となる。
勝野氏は3期目に向け「次の世代につながる町づくり」に取り組むとする。阿南病院や町内医療機関の医療提供体制の充実をはじめ、住宅政策の拡充による若者の定住促進、農林業を中心とした産業振興、リニア長野県駅へのアクセス道路や国道418号の整備推進など、次世代に向けた基盤整備に力を入れる構えだ。
石田氏は人口減少を町の最大の課題として捉え「UIターン者らを迎えられる環境整備が早急に必要」と訴える。町民に町政への関心を高めてもらうため、地域懇談会、車座集会などを開催して積極的に情報の共有を図る他、「民間で培ったノウハウを生かし、町に新しい風を」として時代の変化に敏感な行政を目指す。
勝野氏は旧飯田長姫高を卒業後、同町役場に入職。振興課建設係長を最後に退職し07年から副町長を務めた。前町長の体調不良による辞職を受け14年の町長選に出馬し、無投票で初当選。18年の前回選も無投票で再選した。
石田氏は阿南高、法政大を卒業後、会社員を経て1998年、神奈川県を拠点に小売業を起業。2019年に帰郷すると同年4月の町議選に出馬し初当選した。ことし2月に町長選への立候補を表明し、3月18日付で議員辞職した。
石田氏の議員辞職に伴い町長選と同じ日程で行われる町議補選(欠員1)には、新人で自営業の平沢文彦氏(60)=無所属、北條=が立候補を表明。他に書類を持ち帰った1派に出馬を探る動きがある。
3月1日現在の選挙人名簿登録者数は3770人(男1825人、女1945人)。