任期満了に伴う阿南町長選は19日告示され、午後2時現在、届け出順に新人で前町議の石田仁志氏(64)=無所属、北條=と、現職で3期目を目指す勝野一成氏(66)=無所属、新野=の2人が立候補を届け出た。2007年以来15年ぶりの選挙戦は現新一騎打ちの構図。両陣営とも新型コロナウイルスの感染拡大を考慮して集会を開かず、選挙カーによる遊説を中心に政策を訴える。投開票は24日。
石田氏は午前9時半、東條に構えた選挙事務所で出陣式を開いた。親戚や同級生ら支持者が応援に駆け付ける中、「人口が減少しても行政からは危機感が感じられない。トップが替わらないと何も変わらない」などと第一声を放ち、「ガンバロー」三唱で士気を高めて町内全域の遊説に出発した。
人口減少を最大の課題に挙げ、住環境の整備や雇用の創出、町の魅力発信など、UIターン者らを迎えられる体制の整備が必要と訴える。町政への関心を高めるため、地域懇談会などを通じた情報の交換、共有を積極的に行う他、従来踏襲型から変化に敏感な行政への改善を目指すとする。
勝野氏は新野の自宅横に事務所を構えたが出陣式は行わず、届け出を行った後、役場前で報道陣の取材に応じた。取材後、富草地区などで自ら掲示板にポスターを貼りながら、遊説を行った。
2期8年を通じ、国や県への働き掛けにより「町内の道路インフラ整備には一定の目途が立った」とし、3期目は医療提供体制の充実や、住環境整備、農林業振興による所得向上など「次の世代につながる町づくり」に取り組む構え。将来の医療提供体制に危機感を示し、阿南病院を中心とする遠隔医療システムの構築を目指す他、農林業の担い手不足解消へ所得や生産性の向上を図ると訴える。
15年ぶりの選挙戦は、知名度の向上に重点を置く新人と、2期8年の実績で判断を問う現職の戦い。両陣営とも集会は開かず、論戦を交わす機会もないため、現町政への有権者の評価が争点となる。
期日前投票は町役場本庁で20~23日の午前8時半~午後8時に行う他、20日に和合、21日新野、22日富草の出張所で午後2時~7時に行う。
3月18日現在の有権者数は3710人(男1797人、女1913人)。
町議補選2人が届出
町長選に立候補した石田仁志氏の辞職に伴い、町長選と同じ日程で行われる町議補選(欠員1)は、午後2時現在、新人で自営業の平沢文彦氏(60)=無所属、北條=と、新人で空手道場代表の小澤亮子氏(49)=無所属、富草=が立候補を届け出ており、選挙戦となった。
◎写真説明:遊説を前に士気を高める支援者ら