任期満了に伴う阿智村長選(来年1月25日告示、30日投開票)は、告示まであと1カ月となった。これまでに立候補を表明しているのは、現職2期目の熊谷秀樹氏(53)=無所属、智里東=と、新人で会社役員の熊谷章文氏(70)=無所属、智里西=の2人で、1998年以来24年ぶりの選挙戦となる見通し。別の候補擁立を模索する動きもあるが表立っておらず、現職と新人2氏による争いで固まる可能性がある。
現職の熊谷秀樹氏は村議会9月定例会で出馬表明。12月18日に後援会の総決起集会を開き、3期目に向けて「人も地域も星も輝く村に」を掲げた。「新型コロナ対策に全力を挙げ、災害対策を強化する」と述べ、「人財は村の宝」として教育の充実を強調。観光と農商工林業との連携で産業の創出を図るとし、「昼神温泉などまちづくり計画の総仕上げを行い、阿智ブランドをさらに磨き上げたい」と力を込めた。
熊谷秀樹氏は東海大学卒。飯田商議所を経て、14年1月の村長選で初当選。2期連続無投票当選。
熊谷章文氏は9日に出馬表明。「村に多くの不正がある」と主張し、「村を守るため、村長になって正したい」とする。
農林業を一つに捉え、第三セクターを設置し新たな産業基盤をつくるとする。「農林業は日本の基盤だが、弱くなっている。日本の中心で山間部の阿智だからこそ力を入れなければ」と訴える。村道、用水、井水など生活インフラの再整備も掲げ「山間部の整備が治山治水、災害対策になる」とする。
熊谷章文氏は下伊那農業高校卒で、1級建築士。飯田市内の建築設計事務所の所長を務めている。
村長選の立候補予定者説明会は来年1月14日、立候補届出書類事前審査は同21日、いずれも午後1時半から阿智村コミュニティ館ホールで開く。