飯田市上下水道事業運営審議会(鋤柄富男会長)は1月30日開き、水道料金を引き上げる市の諮問内容を協議した。改定時期は諮問の10月1日に対し、10月1日~来年4月1日の間に値上げする方向で調整。改定の時期が遅れることによる影響を市側が次回会合で提示する考えで、値上げの改定水準は再度審議する。
老朽化した水道施設の更新や耐震化に向けて財源を確保するとし、市は20日の審議会で水道料金の値上げを諮問した。平均改定水準は18%。1カ月当たりの料金は一般的な24・5立方メートル(4人世帯)で675円増の4416円となる。
2023年度から24年間の建設改良計画によると、更新や耐震化の建設改良費として471億円を見込む。この日の審議会では「改修工事は進めるべき」との方向でまとまったものの、料金改定の時期については物価高の中で早急に引き上げることに慎重な意見や、市民への周知期間が必要との声が上がった。
10月1日に改定する場合、市側は市議会6月議会に関連の条例改正案を提出する予定とした。
市の水道事業は「利用者負担の軽減を第一」として黒字経営を維持してきた。建設改良計画に基づいて事業を進めると、現行料金のままだと24年度に赤字に転換する見通しで「水道施設の更新は難しい」とし、財源が必要と判断した。
平均改定水準18%について、市側は将来にわたって水道事業を続けるために「最低限必要な率」といい、改定時期が遅れることによって赤字となるタイミングが早まる可能性を示唆した。
次回会合は2月20日に開く。
◎写真説明:上下水道事業の運営審議会