飯田市営市民プール(中央通り2丁目)を巡り、飯田市教育委員会は2日の市議会社会文教委員会で、年度内で廃止する方針を示した。設置から62年が経過し、安全面の課題を指摘。敷地の後利用は、隣接する旧飯田市公民館の敷地も含め中心市街地の一体的なエリアとして活用を検討する。
市民プールは1960(昭和35)年に設置された。25メートルプールと管理棟(79・27平方メートル)を置く。小学生以下と保護者を対象に7~9月に開放してきた。利用料は3歳以上40円、保護者100円。
2013年度以降の利用状況をみると、7000人を超えた16年度以降は減少傾向で、昨年度は2690人だった。2690人の内訳は、保護者が655人、子どもが2035人。
経過報告によると12年にプールの底に穴が開き、営業を停止。翌年の改修で底穴にコンクリート注入し、防水シートを張る工事を施した。
この日の説明で、生涯学習・スポーツ課は防水シートの耐用年数が10年経過していることに加え、底に穴が開いた経過を踏まえ「小学生以下の子どもが利用する施設としては重大な事故につながるリスクが高まっている」とした。継続利用する市内5園に廃止方針を説明し、一定の理解が得られているとした。
消防水利に指定されており、当面の間は水を張った状態で管理していく考え。
一方、飯田運動公園プール(三日市場)は22年度に1万2268人が利用した。両プールの利用者数を比べると、22年度は運動公園プールが前年度比30%増えたのに対し、市民プールは22%減った。