奈良・平安時代の役所である「伊那郡衙」関連の遺構がある国史跡「恒川官衙遺跡」(飯田市座光寺)の史跡公園整備で、市は来年度、情報発信機能を担う「ガイダンス施設」の基本設計に着手する。関連費約800万円を2022年度一般会計当初予算案に計上した。
ガイダンス施設は国道153号沿いの用地約1700平方メートルに計画する。史跡の特徴や価値を分かりやすく情報発信するための展示・解説機能のほか、遺跡全体の保存管理や活用、周辺の文化資産も活かした地域活動の拠点などにも位置付ける。担当課によると、基本設計、実施設計を進め24~25年度に整備する予定。
史跡指定の計画対象地(約4ヘクタール)について、市は史跡公園整備として約2・1ヘクタールを4つのエリアに区分。ガイダンスエリアのほか、税としての稲穂などを管理した「正倉院エリア」、湧水として律令祭祀も行われた「清水エリア」などがある。
このうち清水エリアは本年度にかけて整備し、4月に供用開始となる。
正倉院北側エリアは21~22年度、正倉院エリアは25~27年度にそれぞれ整備する予定。
恒川官衙遺跡が2014年3月に国史跡に指定されたのを受け、市は18年に史跡公園整備基本計画を策定。座光寺地区の「2000年浪漫の郷委員会」とも連携し、18年度から公園整備を進めている。