政府目標に先駆け、2030年度までに脱炭素化に取り組む地域を募る環境省の「脱炭素先行地域」の選定証授与式が20日、都内で開かれ、飯田市と中部電力が選定証を受けた。先行地域の選定は4月に続く第2弾で、市と中部電力の共同提案を含む20件が追加された。
先行地域は、温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出削減に取り組む先進モデルをつくり、全国に普及させる狙い。1自治体当たり5年間で最大50億円を交付する。
授与式には佐藤健市長と中電の野田英智専務が出席。西村明宏環境相から選定証が手渡され、佐藤市長は「脱炭素への取り組みを広く家庭や市民へと浸透させ、また将来飯田での学びを誇りに思える子どもを育て、次世代を見据えた地域づくりを進める」と抱負を述べた。
災害時にも有効な小規模なエネルギーネットワーク「マイクログリッド」で、市は中部電力との協働で事業化に向けて整備する。市ゼロカーボンシティ推進課によると「メガソーラーいいだ」を主電源施設として川路地区での構築を計画。22年度に周辺整備に着手し、24年1月の運用開始を目指す。
川路小学校、川路保育園、川路5地区公民館などの各避難施設や周辺住宅へ電力供給できる。ノウハウを積み上げ、30年以降に市内の他地域や市外へ展開していくとする。
共同提案は川路地区全域と市内全小中学校を対象エリアとし、地域マイクログリッド構築によるレジリエンスの向上や▽太陽光発電と蓄電池の積極導入▽脱炭素社会を担う人材育成―などを盛った。
◎写真説明:都内で開かれた選定証の授与式