国土交通省社会資本整備審議会の道路分科会中部地方小委員会は8日、飯田市山本―北方間で検討する国道153号「飯田南バイパス」の整備について審議し、新規事業化を「妥当」と判断した。近く開かれる同審議会道路分科会で認められれば、国会の予算審議を経て正式に決定する。
地方小委員会は名古屋市内で開き、有識者9人が整備案の効果や手法を審議した。
飯田南バイパスは、山本小学校北交差点と飯田インター東交差点を結ぶ全長4・5キロ。中部地方整備局は全体事業費を約350億円、計画交通量は1日あたり約2万6500台に上るとの見通しを示した。
同区間は通勤通学時間帯の朝夕に渋滞が発生しており、実現により「生活交通と通過交通が分離されることで交通混雑が解消される」と説明。速度低下を起因とする交通事故が減少し、安全性が向上することや、リニア中央新幹線県内駅を中心とする道路網のアクセス強化につながることなどを整備効果に挙げた。
出席した委員からは「リニア開通で東西軸の時間短縮は図られるが、スーパーメガリージョンの効果を広く波及させるには南北軸の道路整備が必要」などとする意見が上がり、事業化は妥当と結論付けた。