旧ピアゴ飯田駅前店(飯田市東和町)の後利用で、来年5月オープン予定の仮称飯田駅前プラザに設置する公共空間(創発エリア)を巡り、市は10日の市議会社会文教委員会にレイアウト案を示した。2階と3階を賃借し、公民館や図書館、次世代学習交流支援といった機能を集約することで「ヒト」「モノ」「コト」が集まる創発の場にする。
駅前プラザは、吉川建設が出資する飯田駅前プラザ株式会社が管理・運営する。
計画区域は約0・4ヘクタール。延べ床面積は約1万2900平方メートルで、1階を商業エリア、2階と3階を公共エリアに区分。4階と5階をオフィスとし、うち4階には吉川建設の本社機能と飯田支店を移す。5階はテナントオフィスを予定。地下1階は50台分の駐車場となり、高羽町テニスコートを整備して55台分を確保する計画もある。
市は市公民館を取り壊す計画で、ホールを除く公民館機能を駅前プラザへ移転する。計画によると、2~3階の公共エリアには公民館のほか、図書館、平和学習、女性活躍応援、次世代学習交流支援、学習支援、多文化共生推進、市民のムトスまちづくり活動の交流・支援、内外の連携・交流推進―といった機能を導入する。
うち2階は「にぎやかな空間」を想定。100人程度収容可能な多目的ホール、気軽に立ち寄ることができるフリースペース、XR室、音楽練習室、調理室、談話室を配置する。XR室はデジタル技術で年間を通じて街を丸ごと楽しめるコンテンツの拠点となり、DX化によって市民の発信拠点にもなる。
3階は「少し落ち着いた空間」を想定してシェアスペース、図書館、学習支援室、平和祈念館、大会議室などを備える。大会議室はパーテーションで最大4区画まで作ることができる。
建物は解体せず、外観と内装を改修する。総事業費は10億7500万円を見込む。国の社会資本総合整備計画「暮らし・にぎわい再生事業」を活用し、国と市が2億円ずつ負担する。1階の商業エリアにツルハドラッグが出店する。