県の次期総合5カ年計画(2023年度から5年間)の策定に向け、県南信州地域振興局は6日、飯田下伊那地域の有識者5人の意見・提言を聴取する地域懇談会を開いた。8日にも同様に5人の有識者から意見を聴取。意見や提言は計画の南信州地域編や今後の県行政の参考にする他、県の審議会を通じて全体計画にも反映させる。
現在の「しあわせ信州創造プラン2・0」に続く総合5カ年計画。策定にあたり「県づくりの方向性を共有するため県民とともに策定する総合計画」を掲げ、昨年11月から開催している県総合計画審議会の他、若者や学生などを含めて未来像を語る「信州これから会議」などを通じて幅広く県民の意見を取り入れようと進めている。計画案は来年2月に公表し、県議会に提出する予定。
県内10の地域振興局ごとの意見聴取は、書面やオンラインなどさまざまな形で実施している。南信州地域振興局では2回の懇談会を開き、地域で活躍する各種団体の代表者など11人(1人は書面で意見提出)から意見を聞く。
初回の6日は、南信州林業研究会長の伊藤公雄さん、飯伊消防協会長の坂巻剛弘さん、飯田女子高教諭の福田真澄さん、合同会社スマイル・リード代表の藤本恵実さん、環境わくわく体験スクール理事長の湯澤眞理子さんの5人が参加。
冒頭、丹羽克寿地域振興局長は、リニア・三遠南信道時代へ向けた地域づくり構想「リニアバレー構想実現プラン」を紹介し「課題や目指す方向は通じるものがある。さまざまな立場からの意見提言を今後の地域づくりの参考にしたい」と呼び掛けた。
伊藤さんは農林業などの地域の人材不足を踏まえて経験・知識の伝承の必要性を訴え、坂巻さんは地域のコミュニティーを担う人づくりの観点から消防団の役割を語るなどそれぞれの立場から意見を伝えた。
福田さんは高校生の探究学習からキャリア教育の充実や地域内の大人同士の連携の必要性を語り、藤本さんはテレワークを通じた女性活躍の事例を紹介して地域内の企業間連携や他地域との連携の推進を提案した。湯澤さんは子どもの多様な学びの場づくりや脱炭素社会の実現に向けた取り組みの推進を訴えた。
8日は製造業、農業、観光、医療、福祉分野の有識者から意見を聴く。
◎写真説明:県計画策定へ向けた地域懇談会