４月１８日告示、２３日投開票の統一地方選後半で、飯田下伊那地域では松川、根羽、豊丘の３町村で首長選が行われる。議員選は松川、阿南、根羽、下條、泰阜、豊丘、大鹿の７町村で予定し、うち松川町は補選（欠員１）。告示まで１カ月となったものの首長選、議員選ともに候補擁立の動きは低調で、無投票の公算が大きくなっている。

松川町長選
現職不出馬で無投票も

　任期満了に伴う松川町長選は、現職１期目の宮下智博氏（４３）＝無所属、大島＝と新人で元町職員の北沢秀公氏（５１）＝無所属、大島＝が立候補を表明し、２０１９年の前回選に続き現職と新人による選挙戦が見込まれていたが、１４日に宮下氏が一転、不出馬を表明した。

　北沢氏は１月１５日に開いた会見で「町内に漂う停滞感を打破し、町民の誇りを育み、生まれ、育ち、住んで良かったと思える町にしていきたい」と立候補を表明した。小中学生の数が大きく減少する現状を「このままでは持続可能なまちづくりができない」と危惧。「子育て支援」「仕事づくり」「住まいの確保」を政策の柱に掲げる。

　また、リニア発生土を活用した福与地区の農地整備や、町福祉拠点施設「元気センター」（仮称）について「自分自身で中身をしっかりと確認し疑問を払拭する中で、議会とも協議して現状で良いのか判断したい」と、再考する姿勢を示している。

　宮下氏は１月２３日の町議会臨時会で出馬を表明していたが「体力や気力を含め、次の任期を全うすることは難しいと判断した」と立候補を取り下げた。

　町議補選を巡っては、依然表立った動きはない。

根羽村長選
現職のみ表明　無風続く

　任期満了に伴う根羽村長選は、現職３期目の大久保憲一氏（６５）＝無所属、中野＝のみが立候補を表明している。新人候補擁立に表立った動きはなく、無投票での４選が濃厚な情勢。

　大久保氏は村議会３月定例会の冒頭あいさつで「再度村づくりの先頭に立ちたい」と４選出馬を表明した。「村民が誇りと自信を持っていきいきと生活し、次世代へつないでいく村にする」と理念を強調し、「村民が住んで良かった、これからも住み続けたい村を目指す」と述べた。

　安心安全な暮らしの実現や▽地域産業のパワーアップ▽人づくり、学びの村づくり▽多様な連携による村づくり―の四つを掲げ、森林資源の利活用や環境配慮の新産業創出、保小が連携した個性を生かした教育、矢作川流域の多様な関係づくりなどの推進に取り組むとしている。

豊丘村長選
４選目指す現職のみ

　任期満了に伴う豊丘村長選は、これまでに現職３期目の下平喜隆氏（６８）＝無所属、神稲＝が４選に向け立候補を表明している。２日に開かれた立候補予定者説明会は下平氏の１派のみ。以降に書類を持ち帰った派もなく、無投票となる見通しだ。

　下平氏は１月２７日に開いた村議会臨時会で「リニア開業に伴う地域の発展に向け、行動や計画を具現化するための時間をいただきたい」と述べ、立候補を表明した。

　３期１２年を振り返ると、道の駅などの拠点施設整備やふるさと納税返礼品への村内産農産物活用による農業者支援、乳幼児から高校生までの子育て支援策などを実績に挙げ「産業振興と、地域活力の源である生産年齢人口の確保に力を注いできた」とした。

　４期目に向けて「夢が膨らむ豊丘村、伊那谷のために働く」といい、リニア開業を生かした移住定住の促進を視野に周辺地域との連携による大学や企業の誘致、商業施設の充実などを進める構えだ。