第49回衆議院議員選挙が19日に公示され、12日間の選挙戦が始まった。安倍、菅、岸田内閣と続くこの4年間の政権運営の是非を問う選挙で、自民・公明の与党と立憲民主を中心に共闘を進める野党陣営による対決の構図。小選挙区の長野5区(定数1)は午後2時現在までに、届け出順で自民前職の宮下一郎候補(63)と立憲民主新人の曽我逸郎候補(65)が届け出を行い、一騎打ちの舌戦を始めた。投票は31日。
6選を目指す宮下氏は午前8時半から伊那市内で出陣式を開き、第一声を放った。新型コロナウイルスによる医療・経済の危機、人口減少などを乗り越え、「伊那谷から日本を元気にしていく」と強調。農林業や中小企業、観光業を元気にすることで「日本一多くの人が集う地域にしたい」と力を込めた。
前回選は希望の党を含む3者での争いで、相手2候補の得票を単純に合わせると宮下氏の得票をわずかに上回る。野党共闘に危機意識を強めつつも、内閣府副大臣などを務めたこれまでの実績を強調。陣営の組織固めに注力しながら、各地の後援会支部、支援団体を軸に回って支持固めも進めてきた。
2度目の挑戦となる曽我氏は、飯田市内で午前10時に第一声を上げた。自公政権は大企業に都合のいい政治とし、「儲けている人に負担してもらい、庶民の負担を減らす。暮らしのために政治を変えなければいけない」と指摘。「元気な伊那谷を復活させる」と誓い、市民と野党の協力を呼び掛けた。
無所属で出馬した前回選は、希望の候補と非自民票を食い合い落選。衆院選に向けて野党共闘を模索し、早くから行動してきた。9月には信州市民連合などと政策協定を結び、正式に市民と野党の統一候補に。ミニ集会や街宣、各団体への訪問などを精力的に展開し、支持拡大を図っている。
衆院選は2017年10月以来で、49回目。自公連立政権の継続か、野党に政権を委ねるのかが問われ、新型コロナウイルス対策、「新しい資本主義を目指す」とする岸田文雄首相の経済政策が争点となる。
定数は前回選から増減なしの465議席。小選挙区で289議席、比例代表で176議席を選ぶ。
全国では選挙区と比例区を合わせ、約1050人が届け出たとみられる。県内5つの選挙区には同現在までに12人が届け出た。
衆院選公示日前日にあたる18日現在の選挙人名簿登録者数によると、長野5区の有権者は男性13万6361人、女性14万4421人の計28万782人。
投開票は31日で、選挙戦は前日の30日まで。
◎写真説明:両候補のポスターが並んだ掲示板(飯田市内)