「対話と共創」の県政の実現へ向け、阿部守一知事が県内77市町村を巡る「知事との県民対話集会」は1、2の両日、飯田下伊那地域の5市町村で行われた。飯伊1カ所目の根羽村で阿部知事は「長野県は広く、県庁のある長野市にいると南信州地域と問題意識、視点がずれてしまう。それぞれの希望や取り組みを聞き、もう一度しっかりと方向性を共有したい」と語った。初日は根羽、平谷の2村、2日目は松川、豊丘、飯田の3市町村でそれぞれに設定したテーマごと、首長や住民などと意見を交わした。
根羽村
南信州ブランド構築を
「官民協働」テーマに語る
根羽村では1日、村役場で「官民協働」をテーマに阿部知事と意見を交わした。南信州地域のブランド構築、小規模自治体への負担軽減、民間との協働推進などを訴えた。
村に移住し地域プロデュースに取り組む杉山泰彦さんは、南信州地域全体のブランディングを県が後押しすべきと指摘。県民参加型予算にも触れ「計画段階から民間の発想を取り入れるべき」とした。また、人員が少ない村役場で負担となる国県からの委託業務を軽減するよう求めた。
阿部知事は、地域ブランディングや官民協働の実質化に理解を示した。県民参加型予算のうち、南信州地域振興局のリニアへ向けた認知度向上事業は提案のみのタイプだが、事業実施まで提案者が関わる形式もあるとし「まだ試行段階。より良いものにしたい」とした。
調査など各種委託業務の軽減には「時には市町村側からイエローカードを」とし、県と市町村間でも「対話と共創」が必要だとした。
認証材やカーボンクレジットなど先進的な事業に取り組む森林組合は、木の繊維活用事業、県境を越えた矢作川流域での流域材活用へ県の協力を求めた。
◎写真説明:根羽村での県民対話集会